はじめに
国家の機能って経済、外交、軍事の三本柱が大切で、これが弱いと一気に不自由になって自律的じゃなくなります。個人にも同じことが相似で言えて、お金、人間関係、力が弱いとナメられて意見もちゃんと聞いてもらえなかったり、行動の自由度が一気に下がります。
お金、マネーリテラシー無いと搾取されてることも分からない状態になります。
人間関係、コミュニケーション力無いと孤立していく一方でチャンスがそもそも回ってこないようになります。
力、武力無いともしもの時、周囲の安全はおろか身の安全すら守れないですからね。法で安全を担保するってのは素晴らしい考えですが…法律守らない人には意味ありませんからね。
当ページでは戦術の説明と紹介します。それら情報が読者自身の安全保障につながれば幸いです。
作戦や戦略の違いも俯瞰的に知りたい方は別途ページで情報を載せていますので参照ねがいます。参照【戦術・作戦・戦略…ごちゃまぜになってません?軍事を学んで仕事に活かそう!】

結論
- 戦術学とは「目の前の敵にどうやって勝つか」を研究する学問。
- 戦術には「戦いの原則」、「戦闘ドクトリン」、「ムーブメント」という3つのフェーズ構造がある。
- 「作戦」と「戦略」をごちゃまぜに使うな。

本論
1.戦術学とは「目の前の敵にどうやって勝つか」を研究する学問。
日本では軍事学、戦争学を学ぶところがないので戦術学という言葉自体がマイナーワードです。しかし、はじめの導入で言った通り、安全保障という命に係わる大問題を研究・勉強する学問です。勉強しないという考え方が世界的にクレイジーとみなされます。
戦術とは軍事学の中の実際の兵の実力行使によって現状変化をしていくことです。目の前の敵を討つという基本的な方針の下、個人、時にはチームで運用します。
個人やチームでの運用となるということから、巷の「~必勝法」、「~攻略法」などと冠された本は戦術書という事ができます。

2.戦術には「戦いの原則」、「戦闘ドクトリン」、「ムーブメント」という3つのフェーズ構造がある。
戦術が指南するのは、いかに準備して何を使ってどのように戦うかです。それが「戦いの原則」、「戦闘ドクトリン」、「ムーブメント」で示されます。
戦いの原則
これは勝利に向けた普遍的な決まり事です。もう歴史的に淘汰練磨されてきた金言のようなものなので近代の何個かの戦争・紛争・武力衝突などのサンプリングで歪曲したり改竄したりはできません。
有名な者で「孫子の兵法」があります。現在でもミリタリーのみならずビジネス界でも読み継がれるマスターピースです。
クラウゼヴィッツの「戦争論」の中にも戦いの原則は出てきます。19世紀初頭のものですが、現在でも軍事学を研究・学ぶ上で礎となっています。
「戦いの原則」とは要するに戦う前に優位に立つための身支度が指南されています。(こうした方がいいよ、って書かれてます)

戦闘ドクトリン
これはメインに何を使って戦うか、どうやって用いてどのような編成で戦うかが定めたものです。
戦闘ドクトリンは歴史的に、兵器の発展や兵科の充実によってめっちゃ変化してきました。
大昔は火力が乏しかったわけです。そもそも無かったり。だから歩兵だけの殺し合いがメイン。間合いがめちゃ近いんですね。槍とか弓とか出てきてもまぁ、近い。陣形も横隊とか縦隊とか傘型とか超シンプル。
今はどうでしょうか。歩兵は1人で通信も衛生もこなし、最低でも小銃を携行。数百メートル先の敵を撃ちます。
都市部での戦闘は陣形を3Dにし、行動単位はより小さいチームになります。軍種多種多様。もはや素人では戦闘ドクトリンを理解できなくなってきています。
忘れてはならないのが戦術核。これ、一発落としたら終わりですよね。ドクトリンで設定している国はあると思うんですが、基本、抑止力として相手国を恐縮させることが目的です。
本部(HQ)の戦闘ドクトリンと現場の戦闘ドクトリンは異なる次元になってきます。しかし、定義はシンプル「何をメインに使って戦うか、それを用いてどのような編成にするか」です。
総合格闘家に落として言うと、「右ハイが必殺技だからメイン、とりあえずローで動き止めて、ジャブで隠しながら狙っていこうという割合が編成です。

ムーブメント
これは実際の戦闘員の動きです。
ドクトリンに照合して齟齬のない編成、動きになります。ムーブメントは大きく3つの動きがあります。それが攻撃、防御、後退です。
後退もあるの?と思う方もいるかと思います。時に、全滅を回避して戦力の保存を狙うときもあるという事です。または遊撃時のブレイクも後退ですが、決して消極的なものではありません。
今回、ムーブメントは歩兵のものを紹介していきます。歩兵のリーダーは「火力と機動」をテーマにムーブメントを考えます。射撃援護しながら前進しようってことです。
攻撃には包囲、突破、浸透、迂回、正面攻撃があります。状況によっていずれかを選択します。もちろん、基本的に射撃援護の動きとなります。
防御には陣地防御と機動防御の2つがあります。
陣地防御とは陣地作って待ち構えるって感じです。機動防御ってのは防御力の高い乗り物とかを使って移動しながら敵の進軍を阻みます。
後退には遅滞と離脱があります。敵の進行を遅らせる目的で武力を魅せつけながら下がるのことを遅滞。もう、とにかく下がるのを離脱です。
このムーブメントは面白いのでまた特化してページを書きます。

3.「作戦」と「戦略」をごちゃまぜに使うな。
戦術の構造と具体的なハウツーを説明・紹介してきました。
興味が出てきたと思っていただけたら幸いです。サバゲ―とかやる人はムーブメントを聞いたことあるのではないでしょうか?
ここで一つ、戦術の上位カテゴリーを紹介したいと思います。それは「作戦」と「戦略」です。同じ軍事学(戦争学)の中で取り扱うものなのですが、その線引きが曖昧で、ごちゃまぜに使っている方が多いと思います。簡単ではありますが、比較表を作ったのでサクッと見てください。
簡単に言うと、戦術をいくつか調整して実際に運用していくのが作戦。本部(HQ)による事前~事後の優位性確保が戦略です。
対象 | 主体 | 期間 | |
戦術 | 敵 | 個人または部隊 | 短期 |
作戦 | 敵・隣接部隊 | 部隊 | 中期 |
戦略 | 自国、敵国、関係国 | 軍、国家 | 長期 |
一般的にごちゃまぜに使われることが多いようなので、読者のみなさんは是正してみて下さい。
さいごに…
軍事学(戦争学)はビジネスにも学校でもあらゆる場所で活用できる学問です。軍事学の中の戦術というテーマはとても興味深く、サバゲ―をしている人たちだけでなく、一般的な個人の安全を守るスキルにもつながってくる大切な知識です。戦術を分かってないと、まず最初の攻撃or防御or後退の選択肢ができません。逃げるにしても遅滞なのか離脱なのか情報を集めて決定すべきです。決して国家間の衝突で使用される高等な知識ではなく、本当に身近な問題をテーマにした学問です。
当ページの情報で、読者の方々の「戦術」への興味を高まらせることができたなら幸いです。また戦術、ムーブメントに関して書こうと思うので是非読みに来てください。ありがとうございました。

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