「Scenario」はAIを駆使して一貫性のあるゲームアセットを自動で生成する革新的なツールです。従来、ゲーム開発では多大な時間とリソースが必要でしたが、Scenarioにより、この課題を効率的に解決します。この記事では、Scenarioの概要、その技術がいかにして開発プロセスをイノベーションするかを解説します。
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Scenarioとは?
Scenarioは、ゲーム開発者が独自のスタイルでAIを使ってゲームのアセットを簡単に作れるツールです。このAI技術で、キャラクターや背景などを迅速にデザインし、開発時間を大幅に短縮できます。
参照:Scenario
Scenarioの特徴は?何が新しい?
- Finetuning(微調整)
- Advanced Image Generation(高度な画像生成)
- Composition Control(構成制御)
- Canvas(キャンバス)
Finetuning(微調整)
独自のスタイルやアートディレクションに合わせてAIモデルを訓練する機能。
画像データをアップロードし、AIがスタイルを学習して一貫性のある画像を生成。
ユーザーは無制限に訓練を繰り返し、最適なアートスタイルを見つけられる。
Advanced Image Generation(高度な画像生成)
詳細な設定を使用して、一度に最大16枚の画像を生成できるインターフェース。
画像の精細化、ブックマーク、削除、エクスポートが簡単に行える。
ジェネレーターをセッション中に切り替え、AI出力を向上させる機能。
Composition Control(構成制御)
ゲームアーティストの要求に応え、AI生成ビジュアルの構成を精密に制御する「ControlNet」。ユーザーが提供する参照画像内の特定要素を理解し、12種類のモードで様々な情報を抽出・解釈。類似無比の精密さと創造的柔軟性を提供。
Canvas(キャンバス)
画像生成を促進するツールで、テキストから画像へ、画像から画像へ、塗りつぶし、拡張などのモードがある。マスキングやスケッチングなどの高度な機能を使用して、AI生成の画像を修正、新しい画像を生成、または新しい詳細やオブジェクトを追加。
その他の機能
協力的な作業スペース、ビジュアル検索、アセット管理など、クリエイティブな作業をサポートする多様な機能を提供。Scenarioは、ゲーム開発者がAIを利用して独自のアートスタイルを追求し、ゲームアセットを効率的に作成できるように設計されたプラットフォームです。これらの特徴により、開発プロセスが加速し、クリエイティビティが拡大します。
Scenarioは無料で使える?
項目 | Starter | Essential | Pro | Premium | Custom |
年間料金 | 無料 | $290/席/年 | $990/席/年 | $1,990/席/年 | 個別に相談 |
処理優先度 | 低優先 | 通常優先 | 通常優先 | 高優先 | – |
画像枚数/月 | – | 500枚/席 | 2,000枚/席 | 5,000枚/席 | – |
モデル訓練 | 制限あり | 無制限 | 無制限 | 無制限 | – |
トレーニング画像 | 15枚 | 50枚 | 50枚 | 100枚 | – |
保存できるモデル数 | – | 20 | 100 | 無制限 | – |
Scenarioは無料で使うことができますが、機能や生成コンテンツの量に制限があります。
Scenarioは日本語で使える?
公式サイトやアプリは日本語で使用できません。
Scenarioの運営会社は?
項目 | 情報 |
ウェブサイト | https://www.scenario.com/ |
業種 | ソフトウェア開発 |
会社規模 | 社員数: 31人 |
本社 | San Francisco, CA |
創立年 | 2021 |
専門分野 | Mobile、Generative AI、Artificial Intelligence、Creativity、Games、Gaming |
製品・サービス | アセット作成ツール |
コミュニティ参加方法 | Discord: https://discord.gg/scenario |
Scenarioという企業の基本情報をまとめたものです。
Scenarioの始め方
1.Scenarioの公式サイトへアクセス
2.Scenarioのアカウント作成
3.AI生成開始
1.Scenarioの公式サイトへアクセス
まずはScenarioの公式サイトへアクセスして下さい。
また、公式サイトにはスマホアプリのリンクもあります。
アカウント作成はアプリからでも可能です。
公式サイト:https://www.scenario.com/
2.Scenarioのアカウント作成
右上の「Sign Up」をクリックして下さい。
メールアドレスを入力し、認証コードで確認がとれたらアカウント作成は完了です。
簡単なプロフィール作成とアンケートをして、ワークスペース画面に移動します。
3.AI生成開始
モデルを選択して様々なパターンのキャラクター、アセットを生成していきましょう。最初はトレーニングではなく、既存モデルをカスタマイズしていく手法がおすすめです。簡単にScenarioの機能を掌握できます。
Scenarioの使い方
Scenarioは、ゲーム開発者がAIを利用してゲームアセットを作成、管理するための多彩な機能を提供します。ここで、それぞれの機能を分かりやすく解説します。
Models (モデル)
プラットフォームモデル、ユーザーモデル、コミュニティモデル、基礎モデルがタブ表示できます。検索機能、モデルタイプやステータスによるフィルタリングで、必要なモデルを簡単に見つけて下さい。もちろん、自身でモデルトレーニングもできますが、最初は既存モデルを試してみましょう。
各種パラメーター
パラメーター | 説明 |
LoRA Components | 特定のキャラ/画像スタイル強化 |
Icon Stylizer | 値が高いほど、指定したスタイルに強く影響 |
Cel Shaded Illustrations | 値が高いほど、セルシェーディング効果が強化 |
Prompt | 生成する画像の説明(オブジェクト、色、場所) |
Negative Prompt | 画像生成から除外したい要素 |
Reference Image | 参照画像。ユーザーがアップロードした画像 |
Mode | 「Image to Image」は、参照画像を基に新たな画像を生成 |
Influence | 参照画像の影響度 |
Images | 1回に生成する画像の数 |
Sampling steps | 画像生成の精度を高めるためのステップ数 |
Guidance | 数値が高いほど、プロンプトに対する忠実度が向上 |
Dimensions | 画像のサイズ。幅x高さで指定。 |
Scheduler | 画像生成プロセスを管理するためのアルゴリズム。 |
Seed | 画像生成の際に結果の再現性を持たせるための値 |
Scenarioの画像生成機能を理解し、望む結果を得るために調整する際に役立つパラメーターの概要です。参照しながらやってみましょう。
例ではワンピースキャラのウルージさんっぽいキャラを生成しました。
キャラクター生成は著作権の問題もあるので、商用利用はしないようにしましょう。詳細は「Scenarioの注意点」の著作権の部分で解説しています。
Images (画像)
生成した全画像をこのセクションで確認できます。
画像にカーソルを合わせると、使用したプロンプトの確認や画像選択機能へのアクセスが可能です。
Canvas (キャンバス)
インペインティング、アウトペインティング、スケッチツール、要素ツールを使用できるキャンバスにアクセスできます。
「New Project」をクリックして新しいプロジェクトを開始します。
Pixelate (ピクセル化)
Scenarioで生成した任意のアセットをピクセルパーフェクトなアセットに変換し、ゲームに統合できます。
上記はリアル画像での例ですが、やはり、キャラクターでやった方がいいですね。
Isolate (分離)
背景を簡単に削除し、必要に応じて高コントラストの色に置き換えることができます。簡単にいうと、切り抜き機能です。
Upscale (アップスケール)
生成したクリエーションを簡単にアップスケールできます。
Vectorize (ベクトル化)
任意のアセットをベクトル化し、.svgファイルとしてダウンロードできます。
キャラクター生成などでとても役に立ちます。ブランドアイコン生成でも使えますね。
Collections (コレクション)
新しいコレクションの作成や、以前に作成したコレクションへの簡単なアクセスが可能です。
Scenarioの注意点
生成コンテンツの商用利用は?
商業利用について、Scenarioを使用して商業プロジェクトのための画像を生成することは可能ですが、その際には著作権、規制、または知的財産法を侵害していないことが前提となります。
AIモデルの使用は特定の法律や規制の対象となる場合があります。従って、利用者は適用される法律に準拠していることを自身で確認し、責任を持つ必要があります。私たちは、ユーザーに対して、この目的で使用する権利を持っている画像のみでモデルを訓練するよう要請しています。
著作権は?
簡単に言えば、著作権で保護された素材を使用する場合は、その使用が法的に許可されているか、または著作権者から明示的な許可を得ているかを確認する必要があります。商業プロジェクトでは特に慎重に扱うべきで、不確実な場合は専門家の助言を求めることが賢明です。
参照:Datasets With Copyright Protected or Licensed Materials
Scenarioで生成できない画像
生成できない画像はセーフティーフィルターによって制限されています。つまり、このフィルターを調整することでアダルト画像などは生成できます。
一方で、著作権や倫理に反するものは生成AIプラットフォーム独自の判断で削除または、生成ができない場合があります。
Scenarioポリシーに反する生成を繰り返すとアカウント停止になることもあるので、注意が必要です。
まとめ
本記事を通じて、ScenarioというAIツールがゲーム開発のアセット制作においていかに一貫性と効率をもたらすかをご紹介しました。この革新的な技術がもたらす可能性は計り知れず、今後のゲームデザインにおけるクリエイティブなプロセスを一新することでしょう。
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