はじめに
戦術の中にあるムーブメントに関する情報を解説、紹介するページです。
日常生活って何気な~く行動していると思います。スーパーでの買い物、学校での席順、電車での立ち位置。好き嫌いくらいの判断基準しかないですよね。
今回このページでは軍事学的に日常生活の行動を洗ってみたいと思います。軍事学の戦術というテーマではムーブメントを扱っています。どのように動けば勝てるかという知識です。
実際には守ると逃げるという目的行動の説明も含めてのムーブメントなんですが、守ると逃げるを知ればより勝利へ近づきます。是非チェックしてみて下さい。
戦術って何?作戦や戦略との違いがよく分からないという方はこちら⇓
結論
ムーブメントは目の前の戦いをコントロールする動きだ。
目的に合わせてムーブメントの種類は大きく3つある。
基本的に勝利を目的とした動きだが、時には膠着状態や逃避も目的となるときがある。
- ブレイク
相手との対決を回避し逃げる。 - ブロック
相手の攻撃からダメージを最小限にし、相手戦力を削ぐ。 - アタック
積極的に相手のダメージを狙った行動を起こす。

本論
「日本人は~」と塗りつぶした議論をするつもりはないが、日本人は「逃げる」というオプションを恥だとか何だとかでそもそも持たない人が多い。戦いの前に、まず逃げれるか逃げれないかを判断しろ。
「逃げる」というオプションは最重要オプションであり、最優先に考えなければならないことだ。
よって、戦う前(行動する前)に行動を考える上で優先順位はブレイク⇒ディフェンス⇒アタック

ブレイク
ブレイクの目的は積極的に交戦を回避することだ。特に相手勢力の減殺・ダメージを狙っていないムーブメントだ。戦術を考える上で優先順位が高いということは記した通りだが、日本ではビジネスやスポーツにおいても蔑視された行動だ。その考え方は完全に間違っており、指導者たるものはまず逃げ方を教える必要がある。
ただ、逃げると言っても諦めて逃げるというニュアンスは間違っている。次に勝つために、もしくは作戦上必要だから逃げるのだ。目先の結果ばかり見て近視眼的に「逃げる」という行為を侮るな。戦術的にブレイクする場合は次の場合だ。
- 目的達成時
作戦上計画に入れているブレイク。
例えば遊撃は破壊活動を完了した時点で目的達成、あとは人員などを異常なく生還させればいい。
ビジネスにおいてはロスカットが当てはまるだろう。十分に稼いで元手はクリアした。そして何等かのブームが去り、ランニングコストばかりが雪だるま方式で増えることが見込まれている場合…ビジネスを売却するかクローズするだろう。 - 擾乱目的
難しい漢字だが、当ページ読者の皆さんなら読めると思うので説明は割愛する。
要するにブレイク自体が目的の場合だ。もうそれだけでいい。
これは多人数のスポーツでおとり作戦が当てはまる。漫画などで「捨てゴマ」という悪質な表現もあるが、そうならないためにブレイクスキルが重要だ。 - 目的不達成時
もう手が無い場合、行き詰った場合などに自己保存のためにブレイクする。これができないのが日本人だ。最悪の場合、自刃になる。なりふり構わず逃げろ。
時期 | 場所 | コスト | |
目的達成時 | 計画的 | 計画的エリア | 小 |
擾乱目的時 | 計画的 | 計画的エリア | 中 |
目的不達成時 | 非計画的 | 非計画的エリア | 大 |
ブロック
防御のことだが、軍事行動のディフェンシブアクションと区画してブロックというワードを用いた。戦術上であるならばディフェンシブアクションよりブロックの方が現場的だという判断からだ。
要するにそのポジションを守る行動のことだが、戦術的にイメージしてもらいたいのは座して守るというイメージではない。ムーブメント上のブロックは大きく二つの目的がある。
- 固定式
DAでは陣地防御やエリアディフェンスなどと言われる。現場的に言えば、死守だ。
後退が許されておらず、それゆえ堅固で老獪な城の構築に似ている。守るべきものが後にあり(国土や市街地)、絶対に突破されないように罠なども多く仕掛ける。 - 移動式
多少の前進後退を許されており、敵性人員に自分たちの規模と範囲を分かりづらくし恐れてもらう。安定化行動のパトロールとは少し違う。
あくまで防御するエリアがあり、その範囲に融通性が与えられているといったイメージだ。

アタック
戦術のムーブメントと言ったらばずアタックを考える人が多いだろう。違う。
逃げれて守れそうなら出れる(攻撃)できるんじゃね?といったフローだ。
そもそも余裕がなければ攻撃などするべきではない。結果的にただの自爆だ。かりに一回上手くいったとして戦果は持てあます。やめておけ。アタックの種類は大きく6つ。
- 包囲
目的を包囲してやっつけるムーブメントです。囲んで叩け!です。卑怯な感じに聞こえるかも知れませんが、戦争では卑怯という言葉はありません。スポーツやビジネスでも使えないことはないでしょう。 - 側撃
相手の側面から叩きます。視界の外からの攻撃といったところです。意外な角度からの攻撃に敵の精神的ショックも大きいはずです。 - 正面攻撃
正々堂々正面攻撃!という感じではなくて…側面などにジャブ打って戦力が拡散してから弱い正面を叩くという感じです。また、戦力差があまりにも大きい場合で、敵の反撃が弱そうな場合に容赦なくつかうムーブメントです。 - 浸透
ジワリジワリ浸透していきます。これは一気に進軍できない場合に使います。市街地戦闘などで小分けにされた目標を更に小部隊で小分けにして進みます。 - 突破
これはカッコいいです。ペネトレイトと言います。映画のワンシーンで使われそうなムーブメントです。何か観たことある気がします。
当然、弱点を狙って突破するのですが、突入組は大きなリスクが伴います。 - 迂回
めだたない道を通って敵後方、側方など回り込んで攻撃します。当然回り込むリスクは大きいし、バレたらやられます。また、攻撃時に見方部隊を撃たないような配慮が必要になります。

さいごに
ムーブメントは目の前の戦いをコントロールする動きだ。ブレイク、ブロック、アタック、全ての選択肢を考慮して行動に移れ。まずはブレイクできるかどうかだ。アタックは余裕を作ってからやれ。
ムーブメントは決して戦争でのみ活用されるノウハウではなく、日常生活の安全保障にも十分応用できる。平和な日本ではただボーっと立っていても安全かもしれないが、知っておいて損はないだろう。また、海外生活にこれから臨もうとしている、もしくは現在海外生活中である方も是非参考にしてもらいたい。日常生活のポジショニングの安全保障レベルがグッと上がるはずだ。
ここまで読んでくれてありがとうございました。また軍事学情報を載せるので是非読みに来てください。
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