アニメーション制作ソフトには多くの種類があります。選定にお悩みの方は多いのではないでしょうか？
本記事はそんなクリエイターや企業スタッフ様のニーズに真摯に応え、信頼できるアニメーション制作ソフトの比較情報を提供します。各ソフトの特徴と利点を公平に評価し、皆様の創作活動を支援する最良の選択につながるサポートをさせて頂きます。
アニメーション制作ソフトとは？
アニメーション制作ソフトは、3Dモデリング、リグ、スキニング、テクスチャリング、アニメーションなどの機能を提供するソフトウェアです。アニメーターは時間と労力を節約しながら、高品質なアニメーション映像制作ができます。特にUIのイノベーションが進んでおり、ドラッグ＆ドロップで制作できるソフト、AIが素材を生成してくれるものまで多岐に渡ります。
アニメーション制作ソフトを選ぶ基準
アニメーション制作ソフトを選ぶ際は、コスト、ユーザーインターフェースの使いやすさ、レンダリング速度、サポートするファイル形式の多様性、プラグインの可用性、そしてコミュニティとサポートの質を考慮する必要があります。また、特定のプロジェクト要件（3Dモデリング、キャラクターリグ、モーションキャプチャ対応など）に適した機能セットを持つソフトを選ぶことが重要です。
アニメーション制作ソフトの種類
アニメーション制作ソフトは主に2Dと3Dのカテゴリに分かれます。
2Dソフトウェア（例: Adobe Animate, RETAS STUDIO）では、フレームバイフレームアニメーションやベクターベースのアニメーション制作が主流です。
一方で3Dソフトウェア（例: Maya, Blender）では、3Dモデリング、リグ、テクスチャリング、レンダリングなどの高度な機能を利用して複雑な3Dアニメーションを制作します。また、いくつかのソフトはモーションキャプチャ技術もサポートしています。
初心者向けのアニメーション制作ソフトまとめ
初心者向けのアニメーション制作ソフトは、使いやすいインターフェースと基本的な機能を提供します。例えば、ドラッグ＆ドロップ機能、プリセットのキャラクターと背景、自動リグなどがあります。最近ではリコメンド機能も注目されています。
Animaker
Animakerは2Dアニメーション制作に特化したツールです。ユーチューバー、学生、会社員、ブランディング担当者、非デザイナーなどがターゲットユーザーです。月額$20〜79の範囲で様々なサブスクリプションプランを提供しています。
このツールの特徴はフルモードとライトモードの2つの編集インターフェースを提供している点です。フルモードでは、アニメーションタイムライン、ビデオタイムライン、カメラタイムラインをコントロールし、ライブラリからさまざまな素材を追加できます。ライトモードはシンプルなストーリーボードを提供し、すべての素材をカスタマイズして編集できます。
また、100万以上のストック素材や自動リップシンク機能を利用してナレーションを強化できます。さらに、Zoom, Google Drive, Dropbox, Pexelsとの互換性や4K動画のダウンロード、SNSへのシームレスな共有が可能です。
AnimeEffects
AnimeEffectsは2Dキーフレームアニメーション制作ツールとして人気があり、機能性が充実している上に、直感的な使いやすさを提供しています。
このツールを使用すると、「手」「足」「頭」などの各パーツごとに始点と終点を設定し、それぞれのパーツに異なる動きを設定して一枚の絵に動きを加えることができます。これにより、アニメーション制作が非常に効率的かつ簡単に行えます。
また、『AnimeEffects』は「JPEG」「PNG」「GIF」などの画像ファイルを読み込んでアニメーションを加えることが可能であり、「PSD」ファイルの場合にはレイヤーも読み込むことができるため、アニメーションの追加がさらに容易になります。
さらに、このアニメーション制作ツールは無料で利用できるので、気軽にアニメーション制作を楽しむことができるのが大きな魅力です。
Biteable
Biteableはシンプルなインターフェースを持つアニメーションビデオ制作ツールで、学生、先生、ビジネス関係者、フリーランサー、ユーチューバー、インスタグラマーなどがターゲットユーザーです。利用者は無料で始めることができ、月額$29から$99の様々なプランが用意されています。
特徴としては、様々な用途に使える3Dや2Dのアニメーションテンプレートが利用できることや、多くの画面比をサポートしている点が挙げられます。また、タイムラインを使用した編集や、テキスト、リボン、背景の色のカスタマイズ、時間の切り取りやモーションの追加などが可能です。
Doodly
Doodlyはデスクトップアプリとして利用されるホワイトボードアニメーションソフトウェアです。ホワイトボードアニメーションのファン、ビジネス関係者、教師、フィルムメーカーなどに向けたツールです。価格はスタンダードプランが月額$39、企業向けプランが月額$69となっています。
このソフトウェアの特徴は、写真をインポートしてカスタムの描画パスを作成できる点や、描画の長さをシーンの長さに自動的に合わせる機能があります。また、オフラインでの制作が可能であり、作成したコンテンツをクラウドにアップロードすることもできます。
ただし、いくつかの制限もあります。アセットには制限があり、プランをアップグレードするかDoodly Rainbowを購入しなければなりません。また、アニメキャラクターを作成している間にナレーションやリップシンクを実行することはできません。
FlexClip
FlexClipはアニメーションビデオ制作に最適なツールです。学生、先生、コンピューター初心者、ビジネス関係者、フリーランサーなどに向けて設計されています。無料で利用を開始でき、月額$9.99〜29.99の三つのサブスクリプションプランを提供しており、最もリーズナブルなアニメーション制作ソフトの一つと言えます。
特徴としては、既製のテンプレートやカスタマイズ可能なテキスト、ダイナミックな素材を利用できる点が挙げられます。また、著作権フリーのHDアニメーション動画、音楽、写真が豊富に用意されており、トリミングや画面調整、ボイスレコーダーなどのツールが利用できます。
Filmora
Filmoraはシンプルな操作性を売りにしており、編集時のわかりやすさを追求したソフトウェアです。その「簡易編集モード」はアイコンが表示される編集画面を提供し、どの機能がどこにあって何ができるのかが一目でわかるようになっています。これにより、初心者でも安心して利用することが可能です。
また、『Filmora』はオシャレな特殊効果が多数搭載されており、かっこいいアニメーションや女性ウケしやすいカラフルなアニメーションを自在に作成できます。これにより、ユーザーはハイセンスな動画を作成することができます。
基本的には有料のソフトウェアですが、1年間6,980円で「Filmora X」の完全版をダウンロードできるため、コストパフォーマンスは非常に高いと言えます。この手頃な価格設定により、多くのユーザーに手が届くようになっています。
Powtoon
『Powtoon』はアニメーション動画とコンテンツマーケティングの制作を促進するツールで、直観的なインターフェースと豊富なテンプレートを提供しています。これにより、ユーザーは簡単にプロフェッショナルなアニメーション動画を作成できます。
ターゲットユーザーはコンテンツ制作者、マーケティング担当者、学生、先生、会社員などで、初回は無料で利用でき、その後は月額＄19-99のサブスクリプションプランや＄4-10の学習プランがあります。
アニメーションの説明者、ホワイトボード動画、ブランドキャラクターの作成、マーケティング動画、アニメーションのインフォグラフィックなどが含まれます。また、アニメーションキャラクターのカスタマイズも可能で、髪、洋服、感情、動き、肌の色、アクセサリーなどを変更できます。
さらに、スクリーン＆カメラの録画やアニメーション動画のナレーション録音も可能で、パワーポイント、フォトショップ、Canva、Hubspotなどとも連携できます。そして、さまざまな場面で利用できる多くのテンプレートや簡単に使えるインターフェース、さまざまなプラットフォームに対応したプロジェクトモード、著作権フリーの音楽やオブジェクトなどが利用できます。
Renderforest
Renderforestは初心者や未経験者をターゲットにしたアニメーションビデオ制作ツールです。利用者はアニメーションテンプレートを選び、テキスト、スタイルと色、音楽をカスタマイズしてビデオを作成できます。先生、販売員、学生、フリーランサーなどが主なターゲットユーザーで、月額$19.99から$59.99の様々なサブスクリプションプランがあり、無料で始めることも可能です。
特徴としては、簡単に使えるストーリーボードモードや多くの3D・2Dアニメーション動画のテンプレート、ビジネスプロモーションのテンプレートなどがあります。また、AIを使用してシーンの数を生成する機能や多くの音楽ライブラリ、直接アップロードやナレーションアップロード機能も利用できます。
Toonly
Toonlyはビジネスや教育用のアニメーションビデオ説明者を作成するためのデスクトップアプリケーションです。専門的なアニメーションセールス、ビジネスパーソン、YouTuberなどがターゲットユーザーです。価格は標準プランが月額$39、企業プランが月額$69となっています。
特徴としては、タイムラインモードを使用してアニメーションを編集できる点や、リップシンク機能、個別のアニメーションキャラクターのシームレスなトランジション、そして様々なシーン向けの動くオブジェクトのキーフレームが利用できる点が挙げられます。
Vyond
Vyondは企業向けアニメーション制作ソフトで、月額$49から$159のプレミアム・プロフェッショナルプランを提供しています。人事、先生、営業、YouTuberなどがターゲットユーザーで、カスタマイズ可能なキャラクター、小道具、チャート、テキストを使用してユニークなアニメーションを作成できます。
特徴としては、多くのテンプレートと3つのカテゴリー（ビジネス、ホワイトボード、現代）を提供し、タイムライン機能でアニメーション要素を配置できます。また、キャラクターの表情や行動のカスタマイズ、声の録音、自動テキスト読み上げとリップシンク機能が利用できます。14日間の無料トライアルもあります。
9VAe
9VAeはアニメーション制作初心者向けのソフトで、シンプルかつ直感的な操作性を持っています。アニメーションの最初と最後の状態を画面上で制作するだけで、その間の動きをソフトが自動で作成してくれるため、パラパラ漫画のようにすべてのコマを描く必要はありません。
このソフトはタイムライン機能を持たず、1ページごとにイラストや図を作成し、表示時間と動きを調整するグラフでアニメーションをつけていきます。重なり順もページごとに任意に変えられるので、パワーポイントのように直感的にアニメーションを制作できます。ただし、作成できるページ数は9枚までとなっており、比較的短いアニメーション制作に向いています。
プロ向けのアニメーション制作ソフトまとめ
プロ向けのアニメーション制作ソフトは、3Dモデリング、リグ、スキニング、テクスチャリングなどの高度な機能を提供し、アーティストがリアルタイムレンダリングや複雑なシミュレーションを行えるよう支援します。これにより、映画やゲーム産業での高品質なビジュアルコンテンツ制作が可能となります。
Adobe Animate
Adobe AnimateはゲームやTV番組、ウェブ向けのインタラクティブなアニメーションをデザインするためのツールです。アニメーションの落書きやアバターの作成、eラーニングコンテンツやインフォグラフィックに動きをつけることが可能です。Animateは多くのプラットフォームに配信することが可能であり、HTML5 CanvasやWebGL、Flash/Adobe AIR、SVGなどのカスタムプラットフォーム向けにアニメーションをエクスポートできます。
ゲーム制作においても、Animateは非常に有用であり、優れたイラストツールとアニメーションツールを使用して、ウェブやモバイル向けのゲームや広告などのインタラクティブコンテンツを作成できます。ゲーム環境の構築からスタート画面の設計、オーディオの統合まで、幅広い機能が利用できます。さらに、アニメーションをAR体験として公開することも可能です。プロジェクト内に直接コードを組み込むことも、コーディングなしでアクションを追加することもできます。
キャラクターの作成においては、Adobe Frescoのライブブラシを使用することで、まるで本物の絵の具のように色が混ざり合ったり重なったりする表現が可能となります。これにより、表情豊かなキャラクターのスケッチや描画が行えます。シンプルなフレーム単位のアニメーションでキャラクターのまばたきやおしゃべり、歩行を表現できるほか、ユーザー操作に応答するインタラクティブなウェブバナーも作成できます。
CLIP STUDIO PAINT
『CLIP STUDIO PAINT』は、アニメーションと動くイラストの制作に特化したソフトウェアで、ペンタッチ技術を活用して連続した静止画を描き、それらをアニメーションとして動かすことが可能です。このソフトウェアは、DEBUT、PRO、EXの3つのバージョンがあり、それぞれ異なる機能を提供しています。
DEBUTとPRO
- 短いアニメーションや動くイラストの制作が可能（最大24フレームまで）
- アニメーションGIFの出力が可能で、背景の透過設定も可能
- 前後の絵を参照してスムーズな動きを描くための機能が搭載
- オニオンスキン機能で前後の絵を半透明表示し、作画の参考にできる
EX
- カメラワークや音声トラックの機能を利用して、高度な演出が可能
- プロの制作現場でも利用可能な高度なアニメーション制作機能を搭載
- 「RETAS」シリーズなど他の映像編集ソフトとも併用可能
- タイムラプス機能で制作行程を簡単に記録し、共有が可能
すべてのバージョンで、多彩なペイント表現が可能であり、水彩や油彩、セルアニメーション風の塗り方など、さまざまな塗り方に対応しています。また、ブラシの先端形状の変更や紙の質感の追加など、多彩な表現が可能です。
CLIP STUDIO PAINTは、アニメーション制作だけでなく、アートワークの幅を広げる多くの機能を提供しており、クリエイターが自身の作風に合わせた表現を行うことができます。
Maya
『Maya』はプロフェッショナル向けの3Dソフトウェアで、以下のような特徴と機能を持っています。
強力なアニメーションツール
Mayaはリアルなキャラクターやエフェクトを創造することができる強力なアニメーションツールを搭載しており、3Dモデルに命を吹き込むことができます。これにより、リアルなデジタルダブルからかわいい漫画キャラクターまで、さまざまなキャラクターを創造できます。
直感的なモデリングツール
3Dのオブジェクトやシーンを作成するための直感的なモデリングツールが提供されています。これにより、ユーザーは3Dアニメーションコンテンツを効率的に作成できます。
リアルなエフェクトのシミュレーション
爆発や布、織物のようなテクスチャーまで、リアルなエフェクトをシミュレーションで作成できます。これにより、高品質なビジュアルエフェクトを創造することが可能です。
高速化されたワークフロ
Mayaの強力なツールを使用して反復処理を高速化し、創造的な作業に集中しながら納期を守ることができます。
高品質なビジュアライゼーション
Mayaを使用すると、キャラクターやシーンを細かいディテールまで描写し、クライアントを感嘆させる高品質な作品を創造できます。
高い複雑性に対応
Mayaは非常に複雑なショットやキャラクター、世界を作成できるソフトウェアであり、業界トップクラスのアーティストに広く使用されています。
Bifrost for Maya
Bifrostを使用すると、物理的に正確なシミュレーションを単一のビジュアルプログラミング環境で作成できます。これにより、燃え上がる爆発や複雑な吹雪などの精細なシミュレーションを作成できます。
Mayaは3Dアニメーション制作において多くの強力なツールと機能を提供しており、プロフェッショナルな3Dコンテンツ制作に不可欠なソフトウェアとなっています。
Moho
『Moho Pro 13』は、Smith Micro Software, Inc.によって開発され、ソースネクスト株式会社によって販売・サポートされているアニメーション作成ソフトの最新版です。以下の特徴と機能を持っています。
多様なアニメーション制作
劇場アニメからGIFアニメまで、幅広いアニメーション制作が可能です。描画ツールや付属素材を使用してアニメーションを作成できるほか、既存の静止画からアニメーションを作成することも可能です。
ボーン機能
静止画に「ボーン」を設定して簡単にアニメーションを作成できます。この機能を使用すると、他のソフトで描いたイラストを読み込んでアニメーションを作成できます。
Photoshopとの連携
Photoshopのファイルを全てのレイヤーを保持したまま読み込むことができ、Photoshopで行った変更がMohoで読み込んだファイルにすぐに反映されます。また、多くのPhotoshopの機能がMohoでもサポートされています。
スマートボーン機能
Moho独自の「スマートボーン」機能を使用すると、表情や動きなど、繰り返し使用するアニメーションを登録でき、アニメーション制作を効率的に進めることができます。
Unity™との連携
Unity™のゲーム開発で使用されるFBX形式に対応しており、Unityで2Dおよび3Dアセットを利用可能にする業界標準の形式をサポートしています。
アカデミー賞ノミネート作品の創出
Mohoを使用して制作された長編アニメ「The Breadwinner」と「ソング・オブ・ザ・シー 海のうた」は、アカデミー賞長編アニメ映画賞にノミネートされました。
『Moho Pro 13』は高度な機能を持ち、プロフェッショナルな用途にも利用できるアニメーション作成ソフトウェアです。
RETAS STUDIO
『RETAS STUDIO』は、日本のアニメーション制作をアナログからデジタルへと変革した歴史的なソフトウェアです。1993年に登場したその前身「RETAS!PRO」シリーズは、アニメ制作の各工程をデジタル化し、クリエイターの労力を大幅に削減しました。作画から仕上げ、撮影までの工程を一貫してカバーするこのツールは、時間の経過とともに改良を重ね、現在ではアニメ制作のスタンダードツールとして多くのアニメスタジオで採用されています。
特に「RETAS!PRO」HDシリーズは、プロの制作現場からのフィードバックを基に開発され、現在では日本国内で毎週放送される70本近いTVアニメや劇場用アニメーションの制作に使用されています。このシリーズはその実績とアニメのデジタル化への貢献が評価され、国内外の各賞を受賞しています。このように、「RETAS!PRO」シリーズはアニメ制作の標準ツールとしてプロに認められ、高品質な映像制作の支えとなっています。
まとめ
アニメーション制作ソフトを使いこなすことで、ビジュアルコンテンツのクオリティが向上し、クリエイティブ分野のビジネスだけでなく、一般的なビジネスでもブランディングやマーケティング効果が飛躍的に増します。視覚的なストーリーテリングで顧客の関心を引き、信頼を築くことが可能になります。
本記事では、アニメ動画制作に最適な世界的なアニメーション制作ソフトを厳選して比較しました。初心者からプロまで、それぞれのニーズに合ったソフトウェアを見つけだすサポートがとなれば幸いです。読者の皆様はぜひ参考にしてください。