ヴィジュアライズされたプレゼン資料は美しいし、作成した時に達成感がある。
パワポやキーノート、VYONDなどで作るグラフは素晴らしく、大して構想を持ってなくてもそれらしいものができてしまう。
大して構想がないのに良いものができるのなら、しっかりとした準備をして構想して資料を作成したら、どんなに良いものができるだろう。
当著はGoogleでデータをビジュアル化する仕事をしていたプロが書き上げたものだ。
この本から資料作成の神髄を学ぼう。そして、切れ味抜群のプレゼンを実践しよう。
結論
- 聞き手を意識し、コンテキスト(文脈)を作れ。データから始めるな。
- 使ってはならないグラフもある。聞き手が分かりやすいものが一番。
- シンプルイズベスト。デザインで大切なのは余白。
- 聞き手を引き込むには資料の統一感と違和感のコントラストだ。

内容の要約
資料作成にかかる前に…
プレゼン時、とりあえず話す内容に関係するデータを見るのはやめろ。データに流されるぞ。まずは自分が何を思い、組織・聞き手にどう動いてもらいたいのか、聞き手が何を求めているかを浮き彫りにし、コンテキスト(文脈)を構成しろ。その後にデータ収集が始まる。

あれもこれも伝えようとすると主張自体が弱体化する。以下の2つのやり方でコンテキストを浮かび上がらせろ。
- 3分ストーリー
もし、3分しか時間がなかったら何を伝えるか?実際に作ってみろ。この3分ストーリーがしっかり書き出せたら、議論に帰る場所ができる。どんなに白熱しても、どんなに話が広がってもこの3分ストーリーに帰ってくればいい。 - ビッグアイデア
さらに3分ストーリーを一文にしてみろ。プレゼンの原液を作る。名言のようにする必要はないが、この著者が推奨する作成条件があるようだ。それが以下の3つ。

資料全体の骨組みはコンテキストができたら直ぐに作るべきだ。骨組みの作り方のコツは以下の通り…
- コンテキストを絵で表現しろ。PCは使うな。
これをストーリーボードと呼ぶ。結局これが一番速いし分かりやすい。PCを使うと余計なこだわりが出て遅くなる。 - 一目瞭然となるもの。一枚の紙に収めろ。
仲間や聞き手に事前に見せるためだ。ニーズが掌握できプレゼン自体がブラッシュアップされる。 - 漫然と描くな。
コンテキストをイメージして一度頭の中でアウトラインを作れ。

資料作成
サンプリングが多い場合は表やグラフで一目瞭然にし比較できるようにすべきだ。
- 表
読むものとして考えろ。比較対象がすぐわかるし、聞き手の多様性のある興味も一手に引き受ける。
例:ドコモの項目が見たい者…ソフトバンクが気になる者…人それぞれだ。 - グラフ
使ってはならないグラフがある。興味が数値やサンプリングから外れ、コンテキストを忘れさせるからだ。具体的には…

なによりも余白の重要性知れ。詰め込み過ぎた画面はオーディエンスを辟易させる。そして、プレゼンから興味を失せさせる。具体的には…
- 左詰めで整列させろ。
整列でも中央整列は左右がガタガタになりオーディエンスに不快感を与える。 - 題名は左上が良い。
人はZの形で視線を動かす。まず左上の題名を確認してからイメージ、チャートなどを下に配置させれば良いだろう。 - 余白は重要
余白に余計なロゴや透かし、パターンを入れるな。そして、フォーマットから余白を削るな。パワポやキーノート、ワードでもビジネスソフト一般に最初から適切な余白が設定されている。狭めるな。

整頓された文章や表、余白。それらは聞き手に良い印象を与えるだろう。しかしここで、特に無意識に印象を与える方法としてイレギュラー・違和感の演出を紹介する。相手に「ん?」と思わせておいて最後のクロージングで伏線を回収する。
ワンピースを読んでいて「あれ…、杯3つないか?」とかあったと思う。伏線が回収されたときの納得感は上がる。

色とりどりのカラフルなものは避けろ。統一感のある資料がいい。
違和感の演出ということで色を変えるのは良いが、頻繁にやりすぎないように。聞き手をイライラさせるだろう。
視覚障がい者に対する配慮も重要。色の違いを明確に出してアピールできなくなる。やはり2トーンプラス@くらいが良い配色か。

さいごに…
要点は4つ
- 聞き手を意識し、コンテキスト(文脈)を作れ。データから始めるな。
- 使ってはならないグラフもある。聞き手が分かりやすいものが一番。
- シンプルイズベスト。デザインで大切なのは余白。
- 聞き手を引き込むには資料の統一感と違和感のコントラストだ。
素晴らしいプレゼン資料作成ソフトは多くある。しかし、それは思考ツールではない。アウトプットツールだ。思考段階はアナログがやはり一番融通が利いて便利ということか。アナログでコンテキスト、ビッグアイデアを書き記し、絵コンテアウトラインを描いてアウトプットの道筋が見えたらPCに向かおう。これが著書が勧める王道だ。
ここまで読んでくれてありがとうございます。読者のプレゼンスキル向上に少しでも貢献できたら幸いです。またこのような記事を書いていきますのでご閲覧よろしくお願いします。

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