人間同士のコミュニケーションは確かにできています。しかし、それが他の生物にも当てはまるのでしょうか?
本記事では、AI技術を用いたCETIがどのようにしてこの問いに取り組んでいるのか、その方法と目標、そしてその取り組みがもたらす可能性について詳しく解説します。
「未知との対話、始まる。」
CETIとは?
CETI(Cetacean Translation Initiative)は、TED Audacious Prizeからの資金提供を受けて設立された米国の非営利団体で、人間以外の動物との意味ある対話を可能にすることを目指しています。
2023年12月、CETIはAIを用いてマッコウクジラのコミュニケーションと言語に関して、興味深い研究結果を発表しました。そのレポートによると、マッコウクジラは人間の母音にあたる音を発し、高度なコミュニケーションをとっているということです。
TEDからの援助
2020年、CETIはTED Audacious Prizeから資金援助を受けています。
反捕鯨団体?反日的?
2023年12月時点で日本に対する直接の敵対的行為は見当たりません。しかし、反捕鯨の意見をプロジェクトチームが持っていることは読み取れます。
マッコウクジラは話している?
CETIはAIを用いてマッコウクジラが母音を用いてコミュニケーションを図っているとレポートしました。ここでは、その主張を分かりやすく解説します。
マッコウクジラが発する母音
研究者たちは、マッコウクジラが人間の言語に相当する母音を使用することを発見しました。これはCDEVと呼ばれるAI技術を使用して、クジラのクリックのスペクトル特性を分析することで明らかになりました。
人間言語との類似
カリフォルニア大学バークレー校のチームがこの研究を行いました。彼らはクジラの言語の構造を研究し、人間の言語との類似点を見つけました。
クジラの言語の特徴
マッコウクジラは、動物種の中で最大の脳を持っており、その重さは最大で9kgになります。クジラの言語はクリックで構成されており、初めはバイナリーコードのようだと考えられていました。しかし、CETIのレポートでは、構造が人間の言語により似ていることが示されています。
社会的・文化的側面
クジラは社会的な動物で、寿命は70年以上です。家族を形成し、知識、歌、狩猟技術を共有します。この生態は、クジラ言語が人間の語彙と類似点を持つ複雑な言語システムである可能性を示します。
AIのクジラ言語解明プロセス
- フィールドワーク(ロボティクスの使用)
- 生物学的観察
- 言語学的分析
- 機械学習アルゴリズムの開発
- データ処理
- データ共有
- データの視覚化
マッコウクジラのクリック通信を解読するためのマルチステッププロセスを解説します。プロセスでは様々な技術と分析手法を統合しています。
フィールドワーク(ロボティクスの使用)
まず、水中ドローンやエアドローンなどの先進的なロボティクスを使用して、マッコウクジラの自然環境での生活を観察し、その音声データを収集します。
生物学的観察
クジラの社会的な相互作用、食環境、行動パターンなど、クジラの生物学的側面を詳細に観察し、その生態や行動の理解を深めます。
言語学的分析
クジラが発する音(クリック)を音声学的に分析し、これらの音がクジラのコミュニケーションにおいてどのような役割を果たしているかを研究します。
機械学習アルゴリズムの開発
収集されたデータを基に、クジラのコミュニケーションパターンを学習し、解読するための機械学習モデルを開発します。
データ処理
収集された音声データは、自動識別と注釈付けを行うためのツールを使用して処理されます。
データ共有
研究結果は科学コミュニティと一般公衆と共有され、さらなる解析や教育のための基盤となります。
データの視覚化
研究データは視覚化され、より直感的に理解できるようになります。これにより、クジラのコミュニケーションに関する洞察が得られます。
CETIが解明するのはクジラ言語だけではない
CETIはクジラ言語だけを解明したいわけではありません。非人類、ホモサピエンス以外の生物の言語コミュニケーションを解明しようとしています。
それは、地球外生命体も含まれます。
そもそもCETIは天文学用語で地球外文明との交信(Communications with Extra-Terrestrial Intelligence)の頭文字をとった略称として使用されているワードです。
まとめ
CETIは、AIと最新の技術を活用して人間以外の生物との対話を可能にすることを目指しています。この革新的な取り組みは、私たちが自然界とどのように関わるか、そして未来のコミュニケーションがどのように進化するかについて、新たな視点を提供します。
読者の皆様には、この記事を最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。CETIの取り組みは、まさに「未知との対話」を可能にするものです。これからも、未知への探求心を忘れずに、新たな発見と知識を追求していきましょう。
「未知との対話、始まる。」